奥深い山々に紅葉が映える南アルプス南部エリア【紅葉コースガイド2025】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

南アルプス南部は、北部と比較するとアプローチの手段も限られており簡単には行けないが、その奥深く山々には独特の魅力があふれている。このエリアに精通する岸田明さんが絶景の紅葉ルートを紹介する。

文・写真=岸田明

目次

南アルプス深南部の紅葉を楽しむ 黒法師岳(くろほうしだけ)

南アルプス/2068m
 10月中旬~10月下旬

登高尾根下降点付近から見上げる黒法師岳山頂部
登高尾根下降点付近から見上げる黒法師岳山頂部

黒法師岳はみごとな三角形をした山で、かつては航海のランドマークの役割を果たしたほど遠方からその姿を確認できる山だ。春には笹原に立つカエデ類の新緑、清楚なシロヤシオツツジの大群落を、また秋にはそれが紅葉し、登山者をいつも楽しませてくれるすばらしい山である。山頂手前のガレの上端からは、深南部西山稜から聖岳までの眺望が広がっている。ただし、急登が連続し、行動時間も長い厳しい山でもある。健脚者におすすめしたい。

黒法師岳山頂手前ガレより見る、丸盆岳と鎌崩ノ頭、奥に聖岳
黒法師岳山頂手前ガレより見る、丸盆岳と鎌崩ノ頭、奥に聖岳
登高尾根下降点付近から見る、大無間山と富士山
登高尾根下降点付近から見る、大無間山と富士山

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:1泊2日
コースタイム:【1日目】2時間20分
【2日目】9時間45分
行程:【1日目】
ゲート・・・黒法師岳登山口
【2日目】
黒法師登山口・・・ヤレヤレ平・・・市川戻り・・・等高尾根下降点・・・黒法師岳・・・等高尾根下降点・・・市川戻り・・・ヤレヤレ平・・・黒法師岳登山口・・・ゲート
総歩行距離:約17,800m
累積標高差:上り 約1,812m 下り 約1,812m
コース定数: 46
アドバイス:行程が長いので無理に日帰りせず、山を楽しむためにもゲートから2時間20分歩いた黒法師岳登山口で前泊するのがよいだろう。丸盆岳にも登る場合は、その手前にあるカモシカ平がテント泊適地。
2 3 4 5 6

目次

プロフィール

岸田 明(きしだ・あきら)

東京都生まれ。中学時代からワンゲルで自然に親しんできた。南アルプス南部専門家を自認し、今までに当山域に500日以上入山。著書に『ヤマケイアルペンガイド南アルプス』(共著・山と溪谷社)、『山と高原地図 塩見・赤石・聖岳』(共著・昭文社)のほか、雑誌『山と溪谷』に多数寄稿。ブログ『南アルプス南部調査人』を発信中。山渓オンラインに記事多数投稿。また最近は四国遍路の投稿が多い。

四国遍路の記事:https://www.yamakei-online.com/yama-ya/group.php?gid=143/

紅葉名山ガイド

全国各地の紅葉名山をご案内。

編集部おすすめ記事