大迫力のモンスターが待っている! 東北の樹氷のスノーハイキングコース5選

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冬の東北の山ならではの楽しみ、それは樹氷原のスノーハイキングだ。日本海からもたらされる湿った空気が木々にぶつかって凍り、大きく発達するとスノーモンスター(アイスモンスター)と呼ばれる巨大な樹氷に成長する。近年は気候の変動や樹木の枯死などで危機に瀕しているが、東北の一部の山々では、今なお大迫力の樹氷を観賞できる。真っ白なモンスターに出会えるスノーハイキングコースを紹介しよう。

構成=山と溪谷オンライン、トップ写真=曽根田卓(西吾妻山)

目次

ゴンドラで奥山へアクセス! 森吉山(もりよしざん)

秋田県/1454m
 1月下旬〜2月中旬

森吉山は秋田県のほぼ中央部にそびえる独立峰である。阿仁(あに)森吉山スキー場のゴンドラ山頂駅はブナ林帯の上限に当たり、この周辺から亜高山帯になってオオシラビソ(地元では「モロビ」と呼ぶ)の針葉樹林帯が始まっている。12月下旬からオオシラビソの樹木に氷雪(通称「エビノシッポ」)が凍り付き、成長して巨大な樹氷になる。例年の最盛期は1月下旬から2月中旬ごろになる。

厳冬期の森吉山(写真=x-trail)
厳冬期の森吉山(写真=x-trail

ただし、この時期は厳冬期に当たり、山上では晴れることは少ない。1週~10日に1度ぐらいの確率で訪れる移動性高気圧の晴天になれば、青空の下いっぱいに樹氷が広がるすばらしい景観が楽しめる。そうでない悪天候の日は、いつでも引き返せることを前提としながら、石森(いしもり)または阿仁避難小屋、森吉神社までなど、安全な範囲内で樹氷の雪山を散歩するとよい。ナビゲーションの用意(GPS、地形図など)をきちんとすること。

ゴンドラ山頂駅を出て、樹氷平に設定されている周遊コースに入り、その奥から分岐する登山コースに入る。樹氷の斜面を30~40分で外輪山の石森へ登り着く。ここから右は阿仁避難小屋を経て山頂へ、左(ほぼ直進)は10分で森吉神社と森吉避難小屋へ至る。ゴンドラから山頂まで夏道沿いに往復3~4時間。

(文=野村 仁)

森吉山はゴンドラでアクセスできる(写真=x-trail)
森吉山はゴンドラでアクセスできる(写真=x-trail

MAP&DATA

高低図
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最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間11分(無雪期標準タイムの1.3倍で計算)
行程:山頂駅・・・石森・・・阿仁避難小屋・・・森吉山・・・阿仁避難小屋・・・石森・・・山頂駅
総歩行距離:約5,100m
累積標高差:上り 約352m 下り 約352m
コース定数:11
アドバイス:樹氷だけでなくゴンドラから見下ろすブナ林帯の霧氷も美しい(ゴンドラ往復2,000円)。また、秋田内陸線の車窓から見る集落の雪景色は旅情をそそられる。山麓では各地で雪祭りが催される時期なので、ぜひ温泉宿や民宿に1泊して、北秋田の風物とともに楽しんでいただきたい。
森吉山登山情報:https://www.aniski.jp/mtmoriyoshi/
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