群生するアジサイ、ツツジ、スズラン・・・ 梅雨の6月に登りたい花の山
6月は梅雨の雨を受けて花々がみずみずしく輝く季節。この時期だからこそ登りたい、花の名山を紹介します。
文=石丸哲也
目次
スタートからゴールまでアジサイ三昧のハイキング
源氏山(げんじやま)
JR横須賀線北鎌倉駅~明月院(めいげついん)~源氏山~長谷寺(はせでら)~江ノ島電鉄長谷駅/日帰り 2時間40分
四季折々の花や風情を楽しめる鎌倉だが、アジサイに彩られる初夏はとりわけ魅力的だ。やや暑い日もある時期だが、海からの風が吹く日は涼しく歩けるのもうれしい。鎌倉のハイキングコースは多彩だが、アジサイを堪能するなら源氏山がイチ推し。北鎌倉では明月院、長谷では長谷寺とアジサイの二大名所を訪ねられるうえ、コース中の随所でアジサイの花に会えるからだ。アジサイの季節は明月院、長谷寺ともに参詣者が多いので、できれば平日、朝か夕方に訪れて、混雑を回避したい。
ここでは北鎌倉駅からスタートするが、長谷駅スタートでもよい。水色のヒメアジサイが多く植えられ「明月院ブルー」とも賞される明月院から源氏山へは複数のコースがあるが、亀ヶ谷(かめがやつ)坂、化粧(けわい)坂を通ると、道沿いのアジサイが多く見られる。途中の長寿寺は春と秋の曜日限定で公開されるアジサイの穴場だ。化粧坂を登りきったら、まずは源氏山へ。山頂下から北西側を登るのが最短だが、北東側の道にアジサイが多いので、北東側へ下って一周したい。少し戻って尾根の車道を進んだ葛原岡(くずはらおか)神社付近もアジサイがたくさん植えられている。車道東側の山道沿いもアジサイが多い。
葛原岡・大仏ハイキングコースに入ると、アジサイは見られなくなるが、シイやタブノキなど大木も見られる常緑広葉樹林が市街地かたわらの丘陵と思えない山深さを感じさせてくれる。大仏坂トンネルの東側で車道に出たら、大仏の高徳院の門前を通る。少し先で西へ入った光則寺はこぢんまりしているが、ヤマアジサイなどの伝統的な品種が多く、庫裏の前に鉢植えされたウサギゴケも見逃せない。
長谷寺は、あじさい散策路などに多彩な品種が植えられ、明月院と対照的な美しさを見せる。ぜひ、立ち寄りたい。長谷寺から長谷駅はすぐ。余裕があれば徒歩5分ほどの由比ヶ浜(ゆいがはま)を散策して、鎌倉ハイキングのフィナーレを飾ろう。
MAP
6月に見られる花
アジサイの見頃は例年6月上旬~7月初め。数は少ないが、ヤマアジサイ系など5月下旬から咲く品種もある。山道では大輪のヤマユリが芳香を漂わせ、寺院ではハナショウブ、イワタバコ、ハンゲショウなどの花も見られる。
山麓情報
明月院は約2500株というアジサイが咲く6月の拝観時間は8時30分~17時(期間外9~16時)、無休。500円、本堂後庭園は別途500円。長谷寺も約2500株だが品種は40種類以上。拝観時間は8時30分~17時(10~3月は9~17時)、無休。400円、花期、あじさい路入場料500円(混雑時は整理券配布。ネット予約あり)。
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山を歩く、花を楽しむ
全国で人気の花の山、関東周辺「花の百名山」のコースガイドや、花に関するコラムを掲載。
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