
膝が痛いけど山には行きたい! 「下らない山」関西編5選
登山は大好きだけど、膝が痛くて……。そんなシニア・高齢者に向けて、下山時に膝にやさしいコースを関西エリアから5つ紹介します。急な下り坂がなかったり、登った先で乗り物で下山できる、膝にやさしいコースを集めました。コースガイド最後にある標高グラフも参考にしてください!
文・写真=加藤芳樹
目次
高野山へ登るロングコース 高野山町石道(こうやさんちょういしみち)
和歌山県/約800m(根本大塔)
下りの累積標高差:約997m
スタート:九度山駅 ゴール:千手院前バス停
高野山町石道は、世界遺産「紀伊山地(きいさんち)の霊場と参詣道」のひとつ。紀ノ川(きのかわ)筋の慈尊院(じそんいん)から高野山上の壇上伽藍(だんじょうがらん)まで180の町石が並ぶ。1丁109mで計算するとざっと20㎞の道のりとなる。標高差750mをこの距離で登るので傾斜は緩いが8時間ほど時間がかかるので、出発地の南海高野線九度山駅をできるだけ早く発ちたい。最初の町石、百八十丁石は、慈尊院から丹生菅省符神社(にうかんしょうぶじんじゃ)に上る階段の途中にある。
長い道中、見どころは多い。ちょうど中間あたり、前半のクライマックスは町石道を少し外れた天野の里で、丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)や西行庵(さいぎょうあん)などがある。立ち寄ったなら、せっかくなのでゆっくり巡りたい場所だ。その場合は、いったん古道歩きをここで切って、町石道の古峠(ふるとうげ)から上古沢駅(かみこさわえき)へ「下り」、日を改めて高野山壇上伽藍(だんじょうがらん)をめざすのが、無理がない。
「下らない」にこだわるなら、天野の里は駆け足でめぐるか、立ち寄らずに古道歩きに専念するかして先に進む。矢立(やたて)で国道に出たところに矢立茶屋がある。ここの焼き立てのやきもちはなかなかうまい。ここからラストスパートだが、高野山の総門「大門」(だいもん)まではあと2時間くらいかかる。大門まで来たら、壇上伽藍を目指す。一町石は中門に至るまでの沿道の柵内に立っている。
帰りは、大塔(だいとう)前や金剛峯寺(こんごうぶじ)前、土産物屋のある千手院橋からバスで高野山ケーブル高野山駅へ向かう。ちなみに、金剛峰寺の裏手(北側)に店を構える麩善の「笹巻あんぷ」(餡の入った餅麩)が私のお気に入りの高野山土産だ。
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プロフィール
加藤芳樹(かとう・よしき)
関西の山に精通する編集者。現在は『岳人』の編集に携わる。著書に『県別登山ガイド 兵庫県の山』『関西周辺週末の山登りベストコース123』(山と溪谷社)など、編・共著多数。日本山岳会会員、環境省自然公園指導員。
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