
膝が痛いけど山には行きたい! 「下らない山」関西編5選
登山は大好きだけど、膝が痛くて……。そんなシニア・高齢者に向けて、下山時に膝にやさしいコースを関西エリアから5つ紹介します。急な下り坂がなかったり、登った先で乗り物で下山できる、膝にやさしいコースを集めました。コースガイド最後にある標高グラフも参考にしてください!
文・写真=加藤芳樹
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勝尾寺がゴール。バス利用で下山らくらく 箕面外院尾根(みのおげいんおね)
大阪府/約400m(勝尾寺)
下りの累積標高差:約112m
スタート:箕面萱野駅 ゴール:勝尾寺バス停
箕面の歴史は、箕面大滝で役行者(えんのぎょうじゃ)が龍樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)を感得したことに始まり、それが大滝の下流にある瀧安寺(りゅうあんじ)の創建につながる(宝くじの発祥とされる寺)。箕面にはもう一つ、さらに高いところに、奈良時代に起源をもつ古刹、勝尾寺(かつおうじ)がある。日本最古の巡礼、西国三十三カ所観音巡礼23番札所である。
箕面へ行く手段で思い浮かぶのは、阪急箕面線だ。そこは箕面大滝を中心とする観光エリアで、瀧安寺もここにある。歩くのは舗装路だ。一方の勝尾寺には、南の山中に古い巡礼道が残っている。俗に外院尾根を呼ぶ、ハイキングの手頃な山道だ。その出発点(麓)へ、以前はバスで向かったものだが、昨年(2024年)北大阪急行が延伸して箕面萱野駅ができ、大阪メトロ御堂筋線一本で行けるようになった。登山口まで歩いて30分ほどかかるが、乗り換えの面倒がなくなったのはうれしい。
帝釈寺北交差点から路地を北に向かい、二十六丁石の立つY字路を左にとると、やがて獣除けゲートがある。登山道に入っていく途中で古参道と旧参道の分岐があるが、どちらをたどってもよい。2つの参道が再び合流し、登りつめていく。町石は進むにつれ数字を減らしていくが、七町石から勝尾寺門前の下乗石までは鎌倉時代に造られたもので、日本最古の町石らしい。
さて、小さな峠を越え、勝尾寺の門前まで下ったらバスに乗り込めばいいのだが、参詣道を歩いてきたのだから志納料500円を払っても参拝していきたい。ついでながら、寺の裏山の尾根筋には東海自然歩道が通り、勝尾寺開創ゆかりの開成皇子(かいじょうおうじ)の墓もある。
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プロフィール
加藤芳樹(かとう・よしき)
関西の山に精通する編集者。現在は『岳人』の編集に携わる。著書に『県別登山ガイド 兵庫県の山』『関西周辺週末の山登りベストコース123』(山と溪谷社)など、編・共著多数。日本山岳会会員、環境省自然公園指導員。
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