膝が痛いけど山には行きたい! 「下らない山」関西編5選

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登山は大好きだけど、膝が痛くて……。そんなシニア・高齢者に向けて、下山時に膝にやさしいコースを関西エリアから5つ紹介します。急な下り坂がなかったり、登った先で乗り物で下山できる、膝にやさしいコースを集めました。コースガイド最後にある標高グラフも参考にしてください!

文・写真=加藤芳樹

目次

琵琶湖を見下ろしながらの縦走を楽しもう 権現山(ごんげんやま)・蓬莱山(ほうらいさん)

滋賀県/1174m(蓬莱山)
下りの累積標高差:約402m
スタート:平バス停 ゴール:びわ湖バレイロープウェイ

蓬莱山に向かう途中からの景色
小女郎峠から蓬莱山に向かう途中に振り返る

琵琶湖(びわこ)を見下ろしながらの縦走を楽しむなら、比良山地(ひらさんち)の南部縦走がおすすめだ。出発点の平(だいら)へアクセスするバスが、土日祝に限られるのが難だが、徐々に高度を上げながら比良山地第2の標高を誇る蓬莱山に登ったあとはロープウェイで下れるのだから、うまく日程を調整して、この爽快な縦走を味わってほしい。

平から集落を抜け、国道から花折峠(はなおれとうげ)に向けて派生する林道に入る。途中でアラキ峠への登山口があるので登っていこう。アラキ峠からの植林帯の登りはつらいが、権現山に登れば琵琶湖の開放的な景色が広がっている。

ホッケ山あたりから見た蓬莱山
権現山のあと、ホッケ山あたりから見た蓬莱山

権現山からは主稜線を北上していく。軽くアップダウンを繰り返しながら、ホッケ山を越えて小女郎峠(こじょろとうげ)に着く。路傍に石仏を見て下ったところが小女郎峠だ。そのまま蓬莱山へ登ってもよいが、小女郎池には立ち寄りたい。里の女房がこの池の主の大蛇に魅入られ(女房が惚れたのかもしれない)、夜な夜な池に通う女房を怪しんだ夫があとをつけると池に入って云々かんぬん……と、ありがちといえばありがちだがそんな伝説が伝わっている。

小女郎ヶ池
伝説の残る小女郎ヶ池
蓬莱山に向かう途中からの景色
小女郎峠から蓬莱山に向かう途中に振り返る

小女郎峠からひと登りすると蓬莱山山頂だ。そこから先は山岳リゾートのびわ湖バレイ。スキー場のゲレンデを下って登り返すと打見山(うちみやま)で、びわ湖バレイロープウェイの山頂駅がある。駅近くのびわ湖テラスは、展望デッキの上から見下ろす琵琶湖の絶景が観光客に人気の的だ。といっても、すでに存分に琵琶湖の景色を楽しんできたから硬派な登山者は興味がないかもしれない。あとはロープウェイに乗り込むばかりだが、休日は乗車待ちの長蛇の列を覚悟しなければならない。

びわ湖テラス
今や滋賀の人気スポットのびわ湖テラス

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 3時間52分
行程:平・・・アラキ峠・・・折立山・・・アラキ峠・・・権現山・・・小女郎峠・・・蓬莱山・・・山頂駅
総歩行距離:約6,800m
累積標高差:上り 約1,035m 下り 約402m
コース定数:20
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プロフィール

加藤芳樹(かとう・よしき)

関西の山に精通する編集者。現在は『岳人』の編集に携わる。著書に『県別登山ガイド 兵庫県の山』『関西周辺週末の山登りベストコース123』(山と溪谷社)など、編・共著多数。日本山岳会会員、環境省自然公園指導員。

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