
【東海地方】午前中に登山して、午後は観光、食事、温泉へ。往復3時間未満の超お手軽ハイキングガイド
最短は往復20分で絶景。普段登山はしない家族や友人でも、短いハイキングなら誘いやすいですね。午前中にちょっと登りにいって、昼には温泉に浸かったり食事を楽しめる、超お手軽ハイキングコースガイドの紹介です。スニーカーがあれば大丈夫。東海地方を中心に紹介します。
文・写真=土庄雄平
目次
世界遺産の裏山に秘められた紅葉絶景 天生湿原(あもうしつげん)・カツラ門
岐阜県/約1,400m
往復1時間30分
岐阜県飛騨市と白川村の境界に広がる天生県立自然公園、その中心に位置するのが「天生湿原」。2025年現在、法面が崩壊したため国道360号が20㎞にわたり全面通行止めになっている。白川村側、飛騨市側いずれも通行不可なので、今年は天生湿原には入れない状況だ。通行止めが解除されるのは来年になりそうだが、名コースなのでご紹介。天生湿原は、豊かな自然が息づく高層湿原で、地元ボランティアの支えもあって、国内でも希少な原生環境がしっかりと守られている。登山口は標高約1289mの天生峠にあり、入山前に簡単な説明を受けてからハイキングをスタート。
整備された遊歩道を約30分歩くと、まるで絵画のように美しい紅葉に彩られた天生湿原に到着する。道中には案内板も多く、初心者でも迷わず安心して歩けるコースだ。10月中旬から下旬にかけて、ブナやナナカマド、カエデ、ウルシなどが色鮮やかに紅葉し、湿原がまるでキャンバスのように華やぐ。
さらに湿原からカラ谷へ進むと、巨大なカツラの木の群れ「カツラ門」が現われる。幾本ものカツラの木が絡み合い、自然の門のような形をつくる神秘的な空間だ。柔らかな光に照らされて輝くその姿は、まさに天然の芸術作品。見上げれば、頭上に広がる紅葉の天井が息をのむほど美しく、心を奪われる。
下山後は、麓にある世界遺産・白川郷合掌造り集落へ足を延ばしたくなるが、国道360号は狭く曲がりくねった“酷道”として知られているため、運転には充分な注意が必要だ。日本三大秘境の一つである白川郷の裏手には、日本の原生林の本来の美しさを残す隔絶された自然が広がっていることに感嘆する。
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プロフィール
土庄雄平(とのしょう・ゆうへい)
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員として働くかたわら、フリーの山岳自転車旅ライターとして活動する。春は日本アルプス山麓に咲く桜、夏は清流や滝の涼、秋は白山の紅葉、冬は東海地方の雪山に広がる霧氷と、四季折々の山の表情を求めて旅を続ける。ホーム山域は両白山地や阿智セブンサミット。離島の山や山奥にたたずむ秘湯も好む。いつか我が子と共に山登りを楽しむ日を夢見ている。
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