膝が痛いけど山には行きたい! 「下らない山」関東編5選・続

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登山は大好きだけど、膝が痛くて下山が不安……。そんなシニア・高齢者に向けて、下山時に膝にやさしいコースを紹介します。乗り物を利用できたり、そもそも下りが少ないコースを関東近郊で5つセレクト。コースガイド最後にある標高グラフも参考にしてください!

文・写真=石丸哲也

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茶臼山をぐるっと一周、ロープウェイで下山 那須岳(なすだけ)

栃木県/1915m(茶臼岳)
下りの累積標高差:約85m(朝日岳、茶臼岳には登らない場合)
山行適期:初夏~秋

朝日岳山頂から三本槍岳へ続く縦走路
朝日岳山頂から三本槍岳へ続く縦走路を眺める

栃木と福島にまたがり、那須岳とも呼ばれる那須連峰。最高峰は三本槍岳(さんぼんやりだけ)だが、岩礫を押し立てたような荒々しい山容で蒸気の白煙を上げる茶臼岳(ちゃうすだけ)が主峰とされ、標高も三本槍岳より2m低いだけだ。那須ロープウェイの山頂駅から1時間あまりで往復できるが、麓から歩いて登ってもプラス1時間ほど。また、ピークを踏まなくても那須岳ならではの景観を楽しめる。茶臼岳西面をトラバースするらくらくコースで、余裕があれば茶臼岳、岩峰の朝日岳に登れる、下らないプランを紹介しよう。

牛首から見上げる茶臼岳
牛首から見上げる茶臼岳の眺めはこのコースのハイライト

那須ロープウェイバス停の上で歩道に入り、駐車場に出たら、その北側から登山道へ。山容から想像するよりなだらかな登りで、茶臼岳北側の斜面を斜上する。稜線に出たところが峰ノ茶屋跡で、朝日岳の岩峰が圧巻だ。ここから朝日岳を往復する。標高差約120m、往復1時間20分の行程だ。岩登りの技術は不要だが、足元が切れ落ちたところもある岩尾根なので、慎重に行動しよう。

朝日岳への岩尾根
朝日岳への岩尾根。足場はしっかりしているが転倒などに注意を

峰ノ茶屋跡からトラバース道に入ると、低木がまばらに生える斜面の平坦な道が続く。牛首付近は轟音を上げて蒸気の白煙が上がり、見上げる茶臼岳の迫力ある眺めはこのコースならではのものだ。茶臼岳の南斜面をトラバースしていくとロープウェイ山頂駅に着く。茶臼岳は駅の手前から往復する。標高差約170m、往復1時間10分の行程で、岩が積み重なった平坦な山頂に立てば、那須連峰などのパノラマが広がる。

茶臼岳山頂
石の祠がまつられた茶臼岳山頂
茶臼岳山頂ロープウェイ
ロープウェイで約300mの標高差を下山する

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 2時間
行程:山麓駅・・・県営駐車場・・・峰ノ茶屋跡・・・牛ヶ首・・・山頂駅
総歩行距離:約0m
累積標高差:上り 約435m 下り 約85m
コース定数:10
アドバイス:登山道、指導標は整備されているが、朝日岳の往復は岩場があるので、足元に注意を。茶臼岳の往復は砂礫と岩の斜面で特に支障ないが、霧のときはルートがわかりづらいので、岩に印されたペンキの目印を見落とさないように。峰ノ茶屋跡は強風が吹くことがあり、事故も起きているので、無理な行動はしないこと。新緑は5月下旬~6月、紅葉は10月上~中旬ごろ。
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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

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