
膝が痛いけど山には行きたい! 「下らない山」関東編5選・続
登山は大好きだけど、膝が痛くて下山が不安……。そんなシニア・高齢者に向けて、下山時に膝にやさしいコースを紹介します。乗り物を利用できたり、そもそも下りが少ないコースを関東近郊で5つセレクト。コースガイド最後にある標高グラフも参考にしてください!
文・写真=石丸哲也
目次
富士山を眺めて、奥高尾山稜の東部をミニ縦走 小仏城山(こぼとけじょうやま)~高尾山(たかおさん)
東京都・神奈川県/670m(小仏城山)
下りの累積標高差:約320m
山行適期:通年
ケーブルカー、リフトを利用できて、手軽に登れる高尾山は下らない山歩きにも最適だ。ケーブルカー高尾山駅と高尾山山頂は少し離れているが、標高差は120mほどで、距離があるぶん、道はゆるやかだ。高尾山だけでは、あまりに手軽でポピュラーなので、ここで紹介する必要もないほど。行楽客も多い高尾山だが、景信山(かげのぶやま)、陣馬山(じんばさん)へ向かう奥高尾山稜に入れば、ずっと静かな山歩きを楽しめる。奥高尾山稜の最初のピークである小仏城山に登り、高尾山へ縦走してケーブルカー、リフトで下るプランをおすすめコースとした。
スタートの日影へは高尾駅からバスを利用するが、道中の裏高尾は梅林が点在するので、早春の花期は歩いてくるのもよい。歩行時間は1時間あまりだ。日影(ひかげ)バス停北側の木下沢梅林(こげさわばいりん)は約700本、裏高尾の最大の梅林で3月中旬の2週間ほど開放されるので、花期にはぜひ寄っていきたい。小仏城山への日影林道は車道だが、途中にゲートがあり、車はほとんど通らないのでのんびり歩ける。沢沿いの道はゲートを過ぎると山腹をからんで登り、展望が開けてくれば小仏城山は近い。小仏城山の山頂は平坦な広場で3軒の茶店があり、ベンチも多数あって、ランチ休憩に最適だ。山頂から高尾山にかけては桜が多く、花見の名所にもなっている。
奥高尾縦走路に入ると、木段の下りもあるが、全体になだらかな道を下り、大垂水(おおたるみ)峠分岐から登り返す。北面の巻き道を通ると、若干、楽だ。モミジ台の東側から階段を登ると高尾山山頂だが、ここも北側を巻く道をとれば楽に登れる。山頂の南側からは丹沢や富士山、北東側からは首都圏などを眺められる。下山コースは、自然林を楽しめて吊り橋もある4号路、または、高尾山のシンボル的存在で鮮やかに紅葉するカエデが多い1号路がよいだろう。浄心門で両コースが合流すれば高尾山駅は近い。
MAP&DATA
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プロフィール
石丸哲也
東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。
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