鉄道×紅葉×登山! 鉄道カメラマンがおすすめする紅葉の名路線と登山コース5選

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文・写真(路線紹介)=山崎友也、文(山紹介)=山と溪谷オンライン

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秋を鮮やかに彩る紅葉。紅葉を愛でる山旅の一つとして、“鉄道を使ってみる”のはいかがでしょうか? 山岳列島の日本には、山間を縫うように走る路線がたくさんあります。秋の山旅で利用すれば、ゆっくりと座って紅葉を楽しみながらアプローチして、気持ちのいい気候のなかで山を楽しめます。下山後はお酒を飲んで帰る手も!

今回は、プロの鉄道カメラマンである山崎友也さんが推薦する5路線と、その路線内の駅から登れる山をピックアップしました。

山﨑友也さん

推薦人:山﨑友也(やまさき・ゆうや)

1970年広島生まれ。鉄道写真の専門家集団「レイルマンフォトオフィス」代表。独自の視点から鉄道写真を多彩に表現し、出版や広告など幅広い分野で活動中。写真集『少年線 syonen-line』、『Memories ~車両のない鐵道写真~』などのほか『僕はこうして鉄道カメラマンになった』など著書多数。

紅葉と清流を眺めて孤高のブナに会いに行こう。わたらせ渓谷鐡道に乗って中倉山(なかくらやま)へ

 11月上旬~11月下旬

トロッコ列車も走る大定番の紅葉路線わたらせ渓谷鐡道・わたらせ渓谷線

わたらせ渓谷鐡道・わたらせ渓谷線

群馬県の桐生駅から皇海山(すかいさん)を源とする渡良瀬川(わたらせがわ)の上流部に沿って走っているわたらせ渓谷鐵道。首都圏から近くアクセスもしやすいことから、紅葉のスポットとして人気が高い。

途中の大間々(おおまま)駅を過ぎたころから車窓右手には渓谷が秋の彩りを放ち、その景色はまばゆいばかり。全長5,242mもある長い草木トンネルを抜けると、今度は川が左手に。ここから原向(はらむこう)駅までの間は川幅が狭く谷もいっそう険しくなるため、紅葉のハイライト区間といえる。

また、わたらせ渓谷鐵道にはトロッコ列車が2種類走っている。窓のない車両は美しい景色とともに渡良瀬の風やにおいなどが五感で感じられるため、おすすめの列車である。

トロッコわっしー号の車内。悪天候や寒い時期には窓が取りつけられるのでご安心を
トロッコわっしー号の車内。悪天候や寒い時期には窓が取りつけられるのでご安心を
渡良瀬川が織りなすダイナミックな渓谷が沿線を彩る。沢入~原向
渡良瀬川が織りなすダイナミックな渓谷が沿線を彩る。沢入~原向

パノラマ絶景と山頂のシンボルが魅力の
知る人ぞ知る名山
中倉山(なかくらやま)
栃木県/1530m

写真=スーさん

中倉山は栃木県日光市にある山で、足尾銅山の精錬に伴う煙害によりはげ山となっていたが、現在は少しずつ緑が戻りつつある。

樹木がなく、ダイナミックな景観のため「日本のグランドキャニオン」とも呼ばれている。山頂からの展望はすばらしく、三六〇度方向に展望が楽しめる。山頂から西側には、1本だけ立つブナの木「孤高のブナ」があり、この山のシンボルとなっている。

わたらせ渓谷線の終点駅・間藤(まとう)駅を起点に登山ルートが延び、コースタイムは往復6時間ほどと、ほどよい山歩きが楽しめる。稜線上をさらに西へ向かうと沢入山(さわいりやま)まで足を延ばせるが、往復すると約2時間ほどコースタイムが増えるので、日没や列車の終電に注意しよう。

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 6時間25分
行程:間藤駅・・・赤倉・・・銅親水公園・・・中倉山登山口・・・支尾根・・・中倉山・・・孤高のブナ・・・支尾根・・・中倉山登山口・・・銅親水公園・・・赤倉・・・間藤駅
総歩行距離:約15,900m
累積標高差:上り 約1,077m 下り 約1,077m
コース定数:28
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