ミレーの「リュック」はアルパインブランドのワザ光る「サースフェー」が人気

「ティフォン 50000 ストレッチ」シリーズや「ドライナミックメッシュ」シリーズなど、ウェアでも話題の多いミレーだが、リュック(ザック)でヤマケイオンラインユーザーが使っている製品は何だろうか。この記事では「みんなの山道具」のユーザー投稿から「ミレー」の「リュック」をピックアップした。
文=佐藤慶典
サースフェー|愛用者の多い中盤モデルの代表格

ミレー「サースフェー」ユーザーのおすすめ度(みんなの登山道具より)
1921年にフランスで誕生したアルパインブランド「ミレー(MILLET)」。1950年には、人類史上初となる8000m峰、アンナプルナ登頂をバックパックでサポートしました。
ミレーの中型モデルの代表格と言えば「サースフェー(SAAS FEE)」でしょう。2019年2月現在、30+5L、40+5Lという2つの容量がラインナップされています。
「サースフェー」には、使いやすさ、丈夫さ、背負い心地など、一般登山の中型バックパックに必要な要素が高い次元でバランスよく盛り込まれています。ウルトラライトやアルパインクライミングなど、特定の登山スタイルに特化したモデルではないため、誰にでも使いやすいのも特長です。
また、「サースフェー」に限らずミレーの製品は、本格アルパインブランドならではの、目に見えない部分にまでこだわった作り込みがなされています。それゆえ、初心者から中級者はもちろん、登山ガイドなどのプロフェッショナルな人にも愛用者が多くいます。
例えば、ヒップベルトには独自のパッドが使用されています。通気性を備えながらも、保水しない立体構造のフォームと、クッション性と疎水性のあるEVAを2層にして使用することで、高いフィッティングを実現するとともに、経年劣化によるヘタリを抑制しています。加えて、高い通気性で蒸れを防ぎ、仮に濡れても、素早く乾くよう設計されています。これは、濡れによる不快感や低体温症のリスクも考慮してのこと。
容量アップする折り畳み式ヒップベルトポケットや、バックパックを背負ったままでも水筒の出し入れがしやすいサイドポケットなど、細部まで使いやすく作られています。
パッキングをしやすくするため、荷室の間口(巾着)部を広くするマイナーチェンジなど、見えない部分にも少しずつ改良が加えられ、さらに進化し続ける「サースフェー」。今後のモデルチェンジから目が離せません。
ミレー「サースフェー」で行った山行記録
製品情報
ミレー「サースフェー 30+5」
- 価格
- 19,500円(税別)
- サイズ
- M、L
- 容量
- 30+5L
- 重量
- 1.49kg
- カラー
- 4色
ミレー「サースフェー 40+5」
- 価格
- 21,000円(税別)
- サイズ
- M、L
- 容量
- 40+5L
- 重量
- 1.54kg
- カラー
- 4色
ミレー「サースフェー 30+5 LD」
- 価格
- 19,500円(税別)
- サイズ
- S
- 容量
- 30+5L
- 重量
- 1.45kg
- カラー
- 4色
ミレー「サースフェー 40+5 LD」
- 価格
- 21,000円(税別)
- サイズ
- S
- 容量
- 40+5L
- 重量
- 1.53kg
- カラー
- 3色
クンブ|カメラバッグとしても優れた大容量モデル

「クンブ(KHUMBU)」は多彩なアイテムを収納できるよう設計された中型モデルです。2019年2月現在、35Lと45Lが用意されています。
登山用バックパックとして、また、旅行や日常使いのバックとして、あらゆるアウトドアシーンに対応しやすいのが特長です。
「クンブ」はガバっと開くファスナー仕様のメイン気室を持っています。雨蓋がないので、荷室に素早くアクセスできます。また、入口がワイドに開くので、荷物が確認しやすく、出し入れがスムーズに行えるのもメリットです。「クンブ35」の場合は、本体上部からサイドポケットの入り口あたりまで、「クンブ45」は、本体の半分くらいまで開くようになっています。サッと一眼レフカメラを取り出して撮影ができるため、カメラザックとして利用する人がいるのもよくわかります。
収納性の高さも「クンブ」ならでは。マチのあるサイドポケットに加え、本体上部に3つのポケット(外ポケット2+内ポケット1)、フロントにタブレットやラップトップPCなどの収納に便利なポケット、容量アップ可能なヒップベルトポケット、ショルダーハーネスにはスマホに適した収納式のポケットも用意されています。また、「クンブ45」には、ボトムアクセスがあり、2気室仕様(1気室としても使用可)となっています。
ショルダーハーネスやヒップベルトのパッドは必要十分な厚みがあり、荷物が重くなっても優れた背負い心地を発揮します。ただ、同ブランドの中型モデル「サースフェー」と比べると、パッドはやや薄めです。クッション性という意味では、サースフェーに軍配が上がります。
パッキングや荷物の出し入れのしやすさ、登山だけでなくトラベルやデイリーユースなど、多用途に対応することを優先するなら、「クンブ」を試してみるといいでしょう。
ミレー「クンブ」で行った山行記録
製品情報
ミレー「クンブ 45」
- 価格
- 21,000円(税別)
- サイズ
- U
- 容量
- 45L
- 重量
- 1.41kg
- カラー
- 3色
ミレー「クンブ 35」
- 価格
- 20,000円(税別)
- サイズ
- S、M
- 容量
- 35L
- 重量
- 1.25kg
- カラー
- 3色
プロライター|軽量、タフなテクニカルバックパック

「プロライター(PROLIGHTER)」は、軽量でタフなバックパックです。2019年2月現在、22L、25L、30+10L、38+10L、60+20Lをラインナップしています(他に、ロールトップ式の「プロライター サミット(PROLIGHTER SUMMIT)」という派生モデルもあり)。22Lモデルは雨蓋なしのファスナー式ですが、他はすべて雨蓋式となっています。
ここでは「プロライター」の「30+10」「38+10」「60+20」について取り上げます。同モデルは、アルパインクライミングやバックカントリーなど、無雪期だけでなく、冬期にも対応したテクニカルバックパックです。生地には、引き裂きに強い「3ラインハニカムナイロン」と、摩擦に強い「コドラナイロン1000D」を適材適所に採用し、軽量化と強靭性を両立しています。また、背面にはX型にフレームを配した「X-LIGHTER BACK」を搭載し、通気性と快適性を確保しています。クライミングハーネスと干渉しにくい「ハイウエストベルト」は、取り外すことも可能です。
構造は1気室と、とてもシンプルです。雨蓋ポケットやアックスホルダー、スキーも搭載可能なサイドコンプレッションは装備しますが、サイドポケットやヒップベルトポケットはありません(「60+20」にはサイドポケットあり)。シンプルな構造をいかにして使いこなすかがカギです。
ショルダーハーネスやヒップベルトの厚みは、同ブランドの「サースフェー」や「クンブ」に比べると、薄い設計です。クッション性に頼らずにバックパックを背負える体力が必要となるでしょう。
ミレー「プロライター」で行った山行記録
製品情報
ミレー「プロライター 30+10」
- 価格
- 19,000円(税別)
- サイズ
- U
- 容量
- 38+10L
- 重量
- 1.25kg
- カラー
- 3色
ミレー「プロライター 38+10」
- 価格
- 21,000円(税別)
- サイズ
- U
- 容量
- 30+10L
- 重量
- 1.180kg
- カラー
- 3色
ミレー「プロライター 60+20」
- 価格
- 31,000円(税別)
- サイズ
- U
- 容量
- 38+10L
- 重量
- 1.42kg
- カラー
- 1色
※掲載した情報は、2019年2月現在のものです
「みんなの山道具」ユーザーのおすすめ度調査
ヤマケイオンラインのユーザーが実際に使っている登山用品を投稿するコーナー「みんなの山道具」。この記事ではユーザー投稿を登山ブランドごとにピックアップし、人気順(投稿数順)にギアをまとめた。
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