北アルプス全山縦走201608
朝日・白馬・唐松・五竜・鹿島槍・針の木・蓮華・烏帽子・野口五郎・水晶・鷲羽・北穂高・枯沢・奥穂高・西穂高・焼( 北アルプス・御嶽山)
パーティ: 1人 (lemon さん )
朝日・白馬・唐松・五竜・鹿島槍・針の木・蓮華・烏帽子・野口五郎・水晶・鷲羽・北穂高・枯沢・奥穂高・西穂高・焼( 北アルプス・御嶽山)
パーティ: 1人 (lemon さん )
初日:晴れ、2日目:晴れ時々曇り、3日目:晴れ曇り雨、4日目:雨、5日目:雨曇り晴れ、6日目:晴れ、7日目:晴れ曇り、8日目:雨曇り雨、9日目:晴れ、10日目:晴れ
タクシー
その他:
はくたか551号東京駅発6時28分、糸魚川着8時44分、糸魚川9時6分発泊行、9時17分親不知駅着、タクシーにて栂海新道登山口へ約十分
【1日目】
栂海新道登山口(10:00)・・・尻高山(12:24)・・・坂田峠(13:12)・・・白鳥山(15:36)・・・菊石山(17:04)・・・栂海山荘(19:04)
【2日目】
栂海山荘(06:00)・・・犬ヶ岳(06:08)・・・サワガニ山(07:20)・・・黒岩山(08:32)・・・アヤメ平(10:56)・・・照葉ノ池(13:04)・・・千代ノ吹上(13:44)・・・朝日岳(14:24)・・・朝日小屋(14:56)
【3日目】
朝日小屋(05:00)・・・水平道分岐(06:28)・・・雪倉岳(08:28)・・・雪倉岳避難小屋(08:52)・・・鉱山道分岐(09:40)・・・三国境(10:28)・・・白馬岳(11:16)・・・白馬山荘(11:24)・・・村営頂上宿舎(11:36)・・・杓子岳分岐(12:24)・・・鑓ヶ岳(13:12)・・・鑓温泉分岐(13:28)・・・天狗平(13:36)
【4日目】
天狗平(05:00)・・・不帰キレット(06:12)・・・唐松岳(08:36)・・・唐松岳頂上山荘(08:48)・・・最低鞍部(09:36)・・・五竜山荘(10:48)・・・五竜岳(11:36)・・・口ノ沢のコル(13:44)・・・八峰キレット(14:56)
【5日目】
八峰キレット(05:00)・・・北峰分岐(06:36)・・・南峰(07:00)・・・布引岳(07:32)・・・冷池山荘(08:12)・・・赤岩尾根分岐(冷乗越)(08:24)・・・爺ヶ岳南峰(09:36)・・・種池山荘(10:08)・・・岩小屋沢岳(11:28)・・・新越乗越(12:00)・・・赤沢岳(13:28)・・・スバリ岳(14:40)・・・針ノ木岳(15:28)・・・針ノ木峠(16:00)
【6日目】
針ノ木峠(05:00)・・・蓮華岳(05:48)・・・北葛乗越(07:00)・・・北葛岳(07:48)・・・七倉岳(09:20)・・・船窪小屋(09:36)・・・船窪乗越(10:24)・・・2459m峰(11:36)・・・不動岳(13:20)・・・南沢岳(14:32)・・・山頂分岐(15:20)・・・烏帽子小屋(15:44)
【7日目】
烏帽子小屋(05:00)・・・三ッ岳北峰(06:12)・・・野口五郎小屋(07:32)・・・竹村新道分岐(08:12)・・・東沢乗越(09:00)・・・水晶小屋(09:48)・・・水晶岳(黒岳)(10:20)・・・ワリモ北分岐(11:18)・・・鷲羽岳(12:14)・・・三俣山荘(12:54)・・・双六小屋(14:42)
【8日目】
双六小屋(05:00)・・・硫黄乗越(05:56)・・・千丈沢乗越(07:56)・・・槍ヶ岳山荘(09:08)・・・槍ヶ岳(09:32)・・・槍ヶ岳山荘(09:56)・・・中岳(10:56)・・・天狗原稜線分岐(11:36)・・・南岳小屋(11:52)・・・A沢のコル(13:28)・・・北穂高岳(14:40)・・・涸沢のコル(15:24)・・・涸沢岳(16:24)・・・穂高岳山荘(16:40)
【9日目】
穂高岳山荘(05:40)・・・奥穂高岳(06:20)・・・ジャンダルム(07:24)・・・天狗のコル(08:08)・・・西穂高岳(10:28)・・・西穂独標(11:40)・・・西穂山荘(12:16)
【10日目】
西穂山荘(05:40)・・・上高地・焼岳分岐(05:48)・・・池(06:44)・・・焼岳小屋(07:48)・・・中尾峠(08:00)・・・焼岳北峰(08:56)・・・中尾峠(09:36)・・・焼岳小屋(09:48)・・・峠沢(10:44)・・・焼岳登山口(11:04)・・・西穂登山口(11:12)
2日目の宿泊先である朝日小屋へ予約の電話を入れると、清水さんから「栂海新道を親不知から登るのは10人に一人、途中の避難小屋にはマット・毛布があります。途中非常に暑いので、負担を減らすため出来るだけザックを軽くしてしてきてください。」とのことであった。「親不知から登山道入口までは国道8号線。歩道はなく大型車も通るので、タクシーが安全。」これはタクシーの運転手の弁。そのとおり。
1日目:親不知ホテルで水をもらい、向かいの栂海新道入口の登山届けを出す。いきなり急なのぼり。30分くらいで全身汗まみれ。こんなに汗が出るのは初めて。坂田峠で休憩。はしごをあがって再び登りはじめる。栂海新道は尾根沿いに道をつけているので、ほとんどジグザグなし。直登。きつい。頭がぼーとしてくる。シキ割りの水(豊富でした)で頭から水をかぶる。午後3時白鳥小屋へ着く。窓から「今日はここに泊まっていきなさい。毛布もマットもありますよ。」の声に誘われる。栂海山荘まで行く予定であったが、今日はこれまで。声の主(大日向氏)より栂海新道について色々教わる。焼酎もご馳走なり、されに夕食もいただく。6時ごろ下山者(沼津の平井氏)が加わり、夜が更ける。
2日目:今日は朝日小屋まで行くので、4時半発。昨日の遅れを取り戻すために必死であるく。黄連の水場は、登山道からすぐの沢水で豊富。犬が岳から白鳥山を振り返る。随分あるいてきたものだ。元気がでる。北俣の水場は、5分くらい湿った道を下る。ここは細い。サワガニ山から遠くに黒岩平が見える。黒岩山で栂海新道を下山するパーティから「地図によると、白鳥山の水場は夏は枯れることあり、とありますがどうでした。」と聞かれる。「白鳥山には水場はありません。途中には北俣や黄蓮の水場があるので大丈夫」と答える。しかし、山頂に水場なんてあるのかしらん。何かの間違いでしょう。昨日と今日、栂海新道を親不知に下る人を数えたら28人であった。黒岩平は草紅葉の季節はさぞ美しいであろう。吹き上げの少し手前で雷鳥に会う。朝日岳はガスで見通しなし。15時35分朝日小屋に着く。歩行時間11時間5分。
3日目:朝日小屋の清水さんが朝食時に「今日は天気はよくないが、何とか夕方まではもつだろう。でも早めに行動して欲しい。」とのこと。水平道から雪倉岳にかけてのお花畑は本当にきれい。北アルプスで一番か。雪倉岳から朝日岳の頂上が見えるが、白馬岳はガスで見えない。その見えない白馬岳に向かって雪倉岳を下る。避難小屋で団体に会う。道の真ん中で写真に夢中の人がいる。雷鳥を見る。登山道を先導してくれる。三国境あたりでガスが深くなる。白馬岳はガスのため景色なし。昨年10月も同じであった。山荘を過ぎた道脇で雷鳥を見る。白馬鑓が岳付近で雨になる。今日は天狗山荘泊まり。天狗山荘は水を雪渓から引いている。例年雪渓が少なくなる9月の連休で営業終了。今年の雪渓は既に昨年と同じくらい。水は冷たく、おいしい。顔、足を洗う。夕食は天狗鍋。
4日目:朝から雨。天狗の頭で雷鳥の親子を見る。天狗の大下り、不帰の険、八峰のキレット等今日は難所が多い。はじめてなので、どんなところか期待に心が弾む。不帰の険はちょっと怖い。でも迷うことはないし登山道もよく整備されている。雨が強くなり、五竜山荘で小休止。果物が食べたくてオレンジジュースを一気に飲む。五竜岳も見通しなし。八峰キレットは長い。なかなかキレット小屋に着かない。雨で濡れる。キレット小屋で「洗面所どこですか」と聞くと、「洗面所は歯磨きだけにしてください。顔は洗わないでください。」それじゃ洗面所じゃない。水は貴重ですね。いやな一日。
5日目:小屋のスタッフに今日の天気を聞くと「悪いね」の一言のみ。さようなら。もう来ない。外は雨。キレットの核心部をあっという間に通過。鹿島槍が岳北峰直前で雨上がる。が、見通しは全くなし。昨年7月に南峰に上ったときも雨だったことを思い出す。冷池山荘でオレンジジュースをのみ、雨具の上着を脱ぐ。種池山荘で外人にit's gonna be rainny today?と聞くとthree o'clockの答えを聞いて雨具の下も脱ぐ。空は晴れたが、ガスはまだある。種池から新越までは歩きやすく花もたくさんあり、ルンルン気分。途中で会った、種池のスタッフからスバリのこまくさがきれいですよ、とおそわる。スバリの斜面はこまくさで一杯。こんなにたくさんのコマクサを見たのは初めて。針の木小屋が今日の宿。針の木小屋の受付は百瀬慎太郎氏から4代目の若主人。小屋の壁に白いコマクサの写真があり、わけを聞くと蓮華岳に2、3株あるらしい。同室のいびきがひどい。隣の部屋に逃げてなんとか眠る。
6日目:今日から後半戦。天気は久しぶりに晴れ。蓮華岳に向かう。頂上近くの砂礫地にコマクサが一面に咲いている。スバリ以上。頂上は見えるがなかなか着かないぞ。今日は素晴しい景色。遠くに槍ケ岳が見える。明後日あそこまでいけるか。ガレタ道を下る。と、道脇に白いコマクサ。ありました。見つけました。とうとう会えました。北葛、七倉を過ぎ船窪小屋に到着。小屋の主人夫婦とフタッフが和やかにコーヒーブレーク中。りんごジュースでのどを潤し、手洗いの水で顔を洗って出発。船窪から不動への登山道は良く踏まれて迷うところはない。1箇所、10mくらい両側が切れ落ちていて、幅50cmくらいしかない場所がある。固定ロープは張ってあるが、緊張は否みがたし。空は晴れているがガスが出て見通しがなくなった。谷から吹き上がる風に涼みながら、不動岳を目指す長い長い登りであった。南沢岳の頂上で韓国人に会う。英語でコミュニケーション。烏帽子に行きたいが、濁りの橋が利用できなくなったので、船窪を回ってきたとのこと。二人連れだか相方は遥かに遅れている。たしかに韓国人を追い越した覚えがある。南沢岳のコマクサは登山道に咲いており、踏まれそう。登山道は付け替えたほうがよいでしょう。それに続く池や湿地も美しい。烏帽子はパスして、烏帽子小屋へ急ぐ。小屋で同部屋になった栃木県の方から烏帽子や野口五郎小屋の話を聴く。彼は18年続けてきているらしい。「ドライマンゴー」を一袋頂戴する。果物に餓える当方としては非常にありがたい。左のまた痛かゆい。又ズレかもしれない。
7日目:400円出して水を2L買った。烏帽子をピストン。今日も天気は素晴しい。ガスが出ないことを祈るばかり。烏帽子から北を目を向ければ、立山や鹿島槍が見える。向かいには赤牛。その隣は水晶か。三つ岳から野口五郎に向かうころにはすっかりガスが出てどこをどうあるいているのか、どっちに向かっているのかわからない。でも道は比較的平坦で、今まで一番楽。どんどん歩ける。疲れもない。烏帽子小屋で買った水がまずいので、野口五郎小屋でポカリを買う。水晶小屋でも1本補給。水晶からも何も見えない。温泉小屋に下ろうかとおもったが、計画通り鷲羽にのぼり、三俣山荘から巻き道を通って双六小屋へ向かう。気が急いているせいか巻き道が長く感じられる。双六小屋は水が豊富。早速、顔、足を洗いさらに靴下も洗濯する。手ぬぐいで体を拭く。久しぶりで気持ちがいい。しかし、又ズレが痛い。
8日目:順調だ。停滞がない。今日は槍の肩から大キレット、北穂、枯沢をこえて穂高山荘だ。朝方雨強し。出発遅れ6時。樅沢岳までは普通の登り。その後は上り下りの繰り返し。途中で雷鳥に会う。天気が悪いと雷鳥が見られる。千丈沢乗越から本格的なのぼり。かなりきつい。槍ケ岳山荘にある慈恵医大の診療所に寄り又ズレを診てもらう。消毒とパンツが直接患部に触れないように大型のバンドエイドをいただく。南岳まではほとんどガレ場。相変わらず見通しはない。大キレットは「大」が付くだけのことはある。不帰や八峰より遥かに手ごわい。長谷川のピークは高度感がある。A沢のコルからひたすら岩場をよじ登る。北穂山荘のテラスだ。小屋の美人さんにコーヒーを淹れてもらう。うまい。枯沢岳への縦走では雨に降られた。93年に友人3人とここを縦走したときは、若かったせいか、靴も他の装備も幼稚なものだったが、緊張した記憶がない。今回は違う。大キレットくらい大変だと感じた。穂高山荘に着くころには雨があがった。ハイドレーションから水がもれて下の部屋から苦情を出してしまった。
9日目:当初、奥穂高、前穂高から岳沢に下山する予定であった。バスは10日目の午後3時に予約している。が、一日も停滞することなくきているので、今日は、西穂高へ縦走し、10日目は焼岳から上高地に下山することに決めた。ポカリを一本買う。天水に混ぜるとまずい天水も飲めるようになる。奥穂高からの眺めは本当に素晴しい。23年前の10月もよかったが、今回も感慨深い。狭い頂上に次々に人が上がってくるので、さっさと西穂高に向かう。ここでは馬の背が一番緊張した。ジャンダルムは、奥穂高から登ろうとしたが、ルートがわからず断念。後から聞くと、西穂高側から登るらしい。縦走路はよく整備されている。大キレットが一般登山道ならば、ここも一般登山道としてもいいだろう。スタンスやホールドもノミではつって作ってある。登山道を管理する側の苦労が見える。ありがとうございます。萩原さんという千葉県からの方と知り合いになり、夕食後西穂高山荘のレストランで、酒を酌み交わす。きのこ取の話をたのしく聴く。彼は幕営。
10日目:山旅の最終日。西穂高山荘から尾根を焼岳小屋に向かう。湿った道で歩きにくい。焼岳小屋で萩原さんに再会し一緒に焼岳を目指す。天気は晴れ、ガスも少ない。頂上からの眺めはGood。早く下山して温泉に入りたい一心で歩く。上高地温泉ホテル(日帰り温泉800円)で汗と垢を流し、さっぱり。萩原氏はここでちょっと洗濯ということで別れる。バスターミナルで白鳥小屋でお世話になった大日向さんと再会し、10日間の縦走無事完了に乾杯。家族へのメールを送る。完
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