何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山に登ろう! 小粒でもいい山揃いでオススメ

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文=鈴木志野

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都心から簡単にアクセスでき、駅からハイキングが可能で、冬も含めていつでも登山・ハイキングを楽しめることから、多くのハイカーが訪れている秩父・奥武蔵の山々。この山域を楽しめるおすすめのコースを紹介する。

カバー写真=八徳の一本桜と奥武蔵の山々/サンシマさん

 

登りがいある岩場やみごとな眺望、趣き深い名所旧跡に四季の花。低山ながらもリピート確実

埼玉県の南西部に広がる秩父山地の一角、標高200~1300mの低山が連なる山並みは、秩父・奥武蔵と呼ばれ、多くのハイカーに親しまれている山域だ。のどかな里山を囲むように山々が連なっていて、地域の人々と山との密接な関係がうかがえるのが特徴だ。

破風山から朝霧のかかる秩父盆地を見下ろす(写真/スーさん

秩父・奥武蔵は関東地方を一周する長距離自然歩道「関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)」の一部にも指定されていて、この山域の登山道はよく整備され、網の目のように登山道・ハイキング道が広がっている。そのため、どの山やコースもファミリーや初心者向けとして人気があるが、上級者やベテランでも山歩きを満喫できる場所として、足しげく通う人も多い。

登山適期は「通年」で、いつ来ても安全で魅力ある山旅を楽しめる。とくに冬季でも楽しめるのが特徴で、雪が積もることは少ない上に、ロウバイから始まり、ウメの花、そしてフクジュソウなどの早春の花、さらに春はサクラが咲き誇るので、冬から春は多くの魅力が詰まっている。そして紅葉の季節にも深い秋を満喫できる。

羊山公園の芝桜の背後にそびえるのは武甲山の姿(写真/ポンタポンタさん

もちろん、山によっては冬は軽アイゼンなどの装備が必要な場合もあるので、情報収集してから出かけよう。なお、夏は低山ゆえに熱中症の危険もあり、登山するには相当の覚悟が必要となる。

アクセスは、首都圏から西武秩父線や東武東上線、秩父鉄道、JR八高線などが利用可能で、駅から駅まで歩けたり、いくつもの山を縦走したりと、縦横無尽に歩ける山域でもある。日帰りで気軽に行けるところばかりなので、周辺の観光と合わせて訪れるのもいいだろう。

巾着田の曼珠沙華。下山後に楽しみが多いのも魅力(写真/masa.aさん

以下には代表的な山を紹介しているが、これ以外にも魅力的な山はたくさんある。ぜひ、ガイドブックなどでさまざまな山を探して、楽しんでほしい。

 

威厳ある三角錐の山容が目を引く、秩父のシンボル、武甲山

標高1304m、秩父盆地から一気に立ち上がる武甲(ぶこう)山は、この山域の盟主的な存在だ。大正初期から石灰岩採掘が始まり、標高と風貌は痛々しく変化してきているが、残された自然を保全する活動も一部で始まっている。秩父を象徴する名山として、このエリアで初めに訪れてみたい山だ。

麓から見上げる武甲山の勇姿(写真/ラヴィ08さん

武甲山にはさまざまな登山道があるが、初めて登るのであれば、東側の一ノ鳥居登山口から山頂の奥宮への表参道を登って、西側の登山口、秩父鉄道浦山口駅に下山するコースがおすすめだ。カタクリの群生地、見下ろす羊山公園の芝桜の丘、各所から広がる眺望、橋立川の清流など、武甲山の魅力をひと通り満喫できる。

ほかにも、コース途中には一ノ鳥居の狛犬、天然の橋立鍾乳洞(12月中旬から2月末までは休業中)など立ち寄りスポットも多く、山旅をさまざまな角度から楽しめる。

 

行程・コース

最適日数:日帰り 5時間10分
総歩行距離:9,492m /上り標高: 1067m 下り標高: 1343m
行程:生川登山口(一の鳥居)(08:00)・・・登山道入口(08:30)・・・大杉の広場(09:30)・・・武甲山(10:40)・・・長者屋敷頭(11:25)・・・長者屋敷登り口(12:00)・・・橋立鍾乳洞(12:55)・・・浦山口駅(13:10)
高低図
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