グレゴリーのバックパック、ユーザーの一番人気は、やはり「バルトロ」

ヤマケイオンラインのユーザーが実際に使っている登山用品を投稿するコーナー「みんなの山道具」。この記事ではユーザー投稿を登山ブランドごとにピックアップし、人気順(投稿数順)にギアをまとめた。今回は「グレゴリーのバックパック」について紹介する。
文=佐藤慶典
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「バルトロ」&「ディバ」|多くの登山者を魅了する背負い心地
ユーザーのおすすめ度「みんなの登山道具」
男性用の「バルトロ(BALTORO)」、女性用の「ディバ(DEVA)」シリーズは、グレゴリーの数あるラインナップの中でも最上位に位置する大型バックパックです。
グレゴリーのこれまで培ってきたノウハウとテクノロジーを注ぎ込んだブランドの顔とも言える存在で、2008年の誕生以来、その機能性や耐久性、そして他に類を見ない優れたフィッティング性能により、多くの登山者を魅了してきました。
2018年12月現在の「バルトロ」のラインナップは、65L、75L、85L、「ディバ」は60L、70L、80L(ほかに「バルトロ95 PRO」もあり)となっていますが、過去には「バルトロ 55」、「ディバ 50」という中型に近いモデルもありました。
ただ、「バルトロ」と「ディバ」は、快適性を重視したハーネス類やサスペンションシステムなどを搭載したモデルです。ある程度荷物を背負ってこそ、真価が発揮される、いわゆるUL(ウルトラライト)とは対極にあるバックパックです。その意味で、55Lや50Lはラインナップから姿を消したのかもしれません。
発売から10年を迎え、2018年にフルモデルチェンジした「バルトロ」と「ディバ」は、デザイン面の変更により、使い勝手の向上や軽量化が達成されています。
大きな変更点はフロントのポケット。前モデルは縦ファスナーのフロントポケットを装備していましたが、現行モデルでは、上部から荷物が出し入れできるシンプルなストレッチニットのポケットへ変更され、直感的に使いやすくなりました。
また、全体のシルエットがややスリムになったことで、腕を振りやすくなりました。さらに、小物を分別収納できる仕切りで分けられた「ダブル・バレル」ポケットを採用するなど、使い勝手がアップしています。
前モデルのバルトロで好評だった背面の「レスポンスA3サスペンション」はそのままに、「蒸れを軽減してほしい」というユーザーの声に応え、バックパネルを肉抜きした「マトリクス換気型バックパネル」を搭載。ハーネス類もメッシュ素材に変更するなどし、約10%の軽量化を達成しています。給水リザーバー(ハイドレーションバッグ)兼用のサブザック付き。
「ハイドレーション兼用のサブザックは、例えば前穂高岳で紀美子平から山頂を往復する時のようなアタックザックを想定するが、テント場での水運び、バスや鉄道での移動時に手元に置きたい貴重品や小物類、小型カメラ、本や飲み物などを入れるのにちょうど良い」
食材も携行したテント泊やアルプス縦走、雪山登山など、中型のバックパックでは対応しきれない山行へとステップアップする際に、ぜひ試してもらいたいモデルのひとつです。
価格もトップレベルですが、ハイエンドモデルならではのサイズ調整機構により、オーダーメイドしたような抜群の背負い心地が得られます。この「バルトロ」と「ディバ」を基準に、フィッティングや使い勝手、動きやすさ、価格などをチェックすると、大型バックパック選びがしやすくなるでしょう。
「バルトロ」&「ディバ」で行った山行記録
製品情報
グレゴリー「バルトロ65」
- 価格
- 39,000円(税別)
- サイズ
- S、M、L(税別)
- 容量
- 65L(M)
- カラー
- 3色
グレゴリー「ディバ60」
- 価格位
- 39,000円(税別)
- サイズ
- XS、S、M
- 容量
- 60L(M)
- 重量
- 2.05kg(M)
- カラー
- 3色
「ズール」&「ジェイド」|シンプルに進化した人気モデル
ユーザーのおすすめ度「みんなの登山道具」
2015年までは「ゼット(Z)」、「ジェイド(J)」の名称でリリースされていたベストセラーモデル。2016年から設計を一新し、「ズール(ZULU)」「ジェイド(JADE)」として展開されています。
やや頭でっかちにもに見えた外観からシンプルでスマートな外観になり、デザイン的に特徴的だったフロントの縦ファスナーポケットを大型メッシュポケットに変更するなどの大幅なリニューアルには、賛否両論ありました。
グレゴリーのバックパックでは珍しい、バックパックの背面が弧を描き、パック背面と背中に空気が通る層を設けたベンチレーションタイプです。ズールは30L、35L、40L、55L、ジェイドは28L、33L、38L、53Lと細かいラインナップとなっています。
改良された背面構造「クロスフローDTSサスペンション」が、ユーザーの背中とパック背面に隙間を作り、その隙間を空気が循環することで背中の蒸れが抑制され、快適な背負い心地が持続するよう設計されています。
また、このサスペンションシステムでは、荷重がダイレクトに肩や腰へ伝えられるため、パックが体と一体化しやすく、ブレのない、安定した歩行も可能になります。
「病後の体力回復のため、登山を始める事にしたので、山ザックをはじめて買いました。
色々背負ってみた感じでは、グレゴリーとカリマーがしっくりしたのと、背面メッシュが欲しくなり、ズールが出たのもあり即決です。ウエストベルトは思った以上に楽に感じ、背面メッシュは涼しくて、凄く満足です」
バックパックの背面がアーチを描くタイプは「重心が体から離れやすい」「荷室が寸胴でないためパッキングがしにくい」と言われることもしばしばですが、こと、ズールとジェイドに関しては、その指摘は当てはまりません。
それらのネガティブ要素を最小限に抑える工夫がなされています。重心や使い勝手を考慮し、アーチで生まれる隙間は広すぎず、狭すぎず、最適なスペースに設定されています。
しかも、X型に組み込まれたフレームは、テンションがかかると固くなるため、仮にパックの重量が増したとしても、背中とパック背面とのスペースがつぶれることはありません。
常に背中とパック背面にスペースがあるため、レインウェア着用時の背中の透湿性も確保されています。
グレゴリーの背負い心地のよさはそのままに、背中の快適性を優先したい人におすすめのモデルです。
「ズール」&「ジェイド」で行った山行記録
製品情報
グレゴリー「ZULU 40」
- 価格
- 24,000円(税別)
- サイズ
- S、M、L
- 容量
- 40L(M)
- 背面長
- 46〜51cm(M)
- 重量
- 1.5kg(M)
グレゴリー「JADE 38」
- 価格
- 24,000円(税別)
- サイズ
- XS、S、M
- 容量
- 38L(M)
- 背面長
- 46〜51cm(M)
- 重量
- 1.42kg(M)
「パラゴン」&「メイブン」|軽快に歩きたい人に向けた新モデル
ユーザーのおすすめ度「みんなの登山道具」
2017年にグレゴリーのラインナップに加わった「パラゴン(PARAGON)」(男性用)と「メイブン(MAVEN)」(女性用)。
先に紹介したハイエンドモデルの「バルトロ」と「ディバ」は、重厚、豪華といった言葉に象徴されますが、パラゴンとメイブンはライトウェイトにコンセプトを振ったモデルです。
ライトウェイトと言うと「クッション性が犠牲になっている」「フィッティングがいまいち」「使い勝手が悪い」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そこは背負い心地のグレゴリー。フィッティングや機能を犠牲にすることなく、バランスよく軽量化が図られています。
「とてもフィット感が良い。ちゃんと腰に荷重が載るザックなので、荷物が軽く感じられる。細部までよく考えられている。汗抜けも良く、重量も軽い」
パラゴンの展開は38L、48L、58L、68L、メイブンは35L、45L、55L、65Lと、中型から大型まで幅広くカバーしています。これらのラインナップの骨格を支えているのが、新開発の「エアロロン・サスペンション」です。アルミフレームと2層構造のフォームが背中にジャストフィットし、フィット感の高いショルダーハーネスとヒップベルトが荷重をしっかり受け止めます。背面やハーネス類は大胆に肉抜きされているため、蒸れが抑制され、軽快な背負い心地を実現します。
フロントとサイドには大きなメッシュのポケット、雨蓋には大小2つのポケット、両ヒップベルトにもポケットを装備。さらに、中型以上のモデルにあるとうれしい、上部以外から荷室にアクセスできるボトムファスナーや、ストックホルダーやサングラスホルダーも付いていて、使い勝手にも優れています。
背面長の展開は2サイズですが、バックパネルの面ファスナーで10cm程度の背面長の無段階調節ができるため、ほとんどの人にフィットするはずです。
「背面長も無段階調節可能なので、妻に貸す時もM/Lサイズでいけた」
「パラゴン」&「メイブン」で行った山行記録
製品情報
グレゴリー「パラゴン48」
- 価格
- 26,000円(税別)
- サイズ
- MD / LG、SM / MD
- 容量
- 48L
- 重量
- 1.45kg
- カラー
- 3色
グレゴリー「メイブン45」
- 価格位
- 26,000円(税別)
- サイズ
- SM / MD、XS / SM
- 容量
- 45L
- 重量
- 1.39kg
- カラー
- 3色
※掲載した情報は、2018年12月現在のものです
「みんなの山道具」ユーザーのおすすめ度調査
ヤマケイオンラインのユーザーが実際に使っている登山用品を投稿するコーナー「みんなの山道具」。この記事ではユーザー投稿を登山ブランドごとにピックアップし、人気順(投稿数順)にギアをまとめた。
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